2012年3月17日に東京で開催される第14回日本在宅医学会大会において3つの演題を発表いたします。
  
 ①胃瘻カテーテル交換時における胃瘻用内視鏡使用の有用性について 

はじめに:社会の急速な高齢化により、嚥下障害を伴う疾病が増えており、胃瘻造設患者は年々増加している。それに伴い在宅での胃瘻患者も増加し、在宅医療における胃瘻の管理は在宅ケアスタッフにとって習熟すべき主要なものの一つとなっている。とりわけ在宅医が訪問先で胃瘻カテーテルの交換(以下、胃瘻交換)をすることは、患者や患者家族の負担軽減になることからその意義は大きい。一方で胃瘻交換を従来実施されているように盲目的に施行する事は、習熟した在宅医にとってはいくら簡便な手技であるとは言え、カテーテル誤挿入の大きなリスクを背負うこととなり、医療者側の精神的な負担は軽いとは言い難い。そこで当院では胃瘻交換時に使用する胃瘻用内視鏡を導入したので、その有用性について検証する。

目的:胃瘻用内視鏡を使用することによるメリットと、軽減できるリスクを、精神面・安全面の観点から検討する。

方法:期間は2010年7月1日~2011年11月30日、対象は当院において胃瘻用内視鏡を用いて胃瘻交換した46例。胃瘻交換による合併症と使用経験に関して評価・検討する。尚、当院では胃瘻用内視鏡にペンタックス社製 胃ファイバースコープFP-7RBSを使用した。

結果:今回の調査期間に胃瘻交換による合併症はなかった。また胃瘻用内視鏡で胃粘膜を視認する事で、胃瘻交換時に確実に胃内に挿入された事を確認することができ、これにより胃瘻交換後にいつも感じていた施行医の不安が解消された。

考察:胃瘻カテ交換を行う施設(n=202)のうち、23%の施設が腹腔内誤挿入の経験があるとの報告(胃瘻に関する全国調査 平成17年2月 NPO法人 PEGドクターズネットワーク,HEQ研究会)もあり、胃瘻用内視鏡を用いることで安全に胃瘻交換を実施できる事が示唆された。

さくらホームケアクリニック院長 久保雅弘

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